冷工法
冷工法とは、熱工法の反対で、熱を使わずに防水層を形成する工法のことです。自着工法や常温工法とも呼ばれます。
例えば、改質アスファルト防水工事では、トーチバーナーでルーフィングシートをあぶって溶かし、その液状になったアスファルトを張り付け剤として張り付ける工法を、熱工法といいます。それに対し、ルーフィングシートに自着層を持たせて、剥離紙を剥がすなどして下地に張り付ける工法を、冷工法といいます。言い方を変えれば、裏面にゴムアスファルト粘着層(粘着材)をコーティングした改質アスファルトシートを、下地に張り重ねて積層していく工法です。下地に対して軟粘着の状態になるので、躯体への追従性に優れます。
一般的に冷工法の技術は、陸屋根の防水層に広く使われていますが、その他にも不陸屋根の下葺き材や防水層、地下外壁防水などでも多く使われています。
熱や火気を使わないので、臭いや煙の発生が抑えられ、周辺環境にも作業員にも優しく安全な工法です。また特別に大掛かりな施工器具・機器も必要ありません。そのため、都会の密集地域や、狭小部位への施工、それに改修工事などで威力を発揮する工法です。
また、熱工法やトーチ工法などの他の防水工法との組み合わせによる、様々な複合工法も開発されています。例えば、一層目は冷工法で二層目以降は熱工法、という複合工法もあります。