塩化ビニル系防水層
塩化ビニル系防水層とは、塩化ビニル樹脂系のシート状の材料一枚で構成された防水層です。
屋外での日光による紫外線・熱・オゾンに対し優れた耐久性を持っています。
塩化ビニルシートは素材自体が予めカラフルに着色されており、また高い耐久性があるため、防水層のメンテナンスとして一般的である保護塗装が原則不要になり、よってコストも節約することができる、というメリットがあります。
下地の種類や状態、使用される用途によって接着工法と機械的固定工法があります。
・接着工法は、下地およびシートの裏面に接着剤を塗り、ローラー転圧をして貼り付ける工法です。仕上げ方法は露出仕上げです。
特徴として、ある程度の強度を有することから軽歩行程度の用途に適応できます。塩化ビニル樹脂系シート相互は、融着または溶着によって施工されるため、接合強度が強いです。また特殊な仕上げ方法として、砂利敷きや平板ブロック仕上げも可能です。
・機械的固定工法は、下地に緩衝材を介し、専用の固定金具(鋼板・ビス等)により、防水層を機械的に固定する工法です。仕上げ方法は露出仕上げです。
特徴として、下地の乾燥不良や下地の動きなどに対して適用性・追従性に優れ、既存防水層を撤去せず上から被せて施工できるので、下地処理のコスト削減ができます。基本的に非歩行用で、人が歩く場所には不向きです。
上記のどちらの工法も、それぞれ断熱工法と非断熱工法があります。
デメリットは、塩化ビニルシートには寿命がある、という点です。塩化ビニルはもともと硬い材料で、柔らかくするために可塑剤(かそざい)が添加されていますが、これが気化してしまうと塩化ビニルシートが硬さを取り戻し、割れたり穴が開いたりするようになります。
また、シート防水なので、防水端末をシーリング材のみに頼る仕様だと、それが劣化すると雨水がシートの裏側に入り込んでしまい、雨が漏れる原因となります。