防水工事の失敗談
リフォームで欠陥工事が行われていたというニュースは誰でも一度は目にしたり聞いたりしたことがあると思います。
防水の修理やリフォームでも失敗やトラブルは起こりえるのです。
ここでは、防水工事の失敗例・トラブル例をご紹介していきますので参考にしてみてください。そして、トラブルを未然に防ぎましょう。
1.防水工事の失敗例
防水工事が終わった直後は、だいたいの業者がきれいに仕上げるものです。
しかし、防水の塗装はそうそう頻繁に行うものではありません。1年くらい経過してあまりよくない業者だったと分かるケースもよくあります。
ここでは、その事例と原因、その対策についてご紹介していきます。
耐用年数より早く塗装がめくれた
スレート防水の塗装などで、耐用年数よりはるか早くに塗装がめくれてしまうことがあります。
業者に問い合わせをしても、「耐用年数はあくまで目安」「天候などの状況により変化する」などと言われ保証修理をしてくれないというケースです。
原因
塗装のめくれは塗装がしっかりと付着していないために起こります。
洗浄・ケレンといった下地処理が甘かったのではないかという理由が考えられます。
対策
ほんの一部がめくれる程度であれば単なる業者の作業ミスと考えられます。業者が優良業者であれば補修してくれるはずです。
しかし、全体がはがれ、めくれているとなるとただのミスではないでしょう。
対策としては、作業過程の写真を撮影し都度報告してもらうという方法があります。
塗り替えたのに雨漏りする
防水の傷みがひどくなってきたので、塗り替えをしてもらったが、その後しばらくして雨漏りをするようになってしまったというケースです。
塗装によって以前より状態が悪化したのではないか?と思われる方もいるかもしれません。
原因
築年数が古い場合によくあります。
これは防水の傷みの進行がひどく、そもそも塗装だけでは修理が十分ではなかったという原因が考えられます。
また、防水によっては縁切りが不十分だったために雨漏りの原因となることもあります。
この場合は、一概に業者の責任ということは言い切れません。
対策
防水をほったらかしにしたままかなりの年月が経過していたり、もうすでに雨漏りをしている箇所があるといった場合は、塗り替えだけでは不十分な場合があります。
そもそも塗り替えだけでなく、重ねぶき(カバー工法)や葺き替えといった修理も考慮することで対策できます。
こんな色だったっけ? イメージと違う
塗り替え工事が完成してみたら、サンプルと違う色のように見えてしまうケースです。
原因
サンプルと同じ塗料を使ってもこういった現象は起こりえます。
特に、太陽光のあたりかたで色の具合が違って見えたり、大きな視野で見ると違ったイメージになることもあります。
対策
サンプルを見るだけでなく、試し塗りをするのがいいでしょう。
実際に施工事例がある場合はその実物や写真を見せてもらうのもいいかもしれません。
ご近所トラブル
防水の塗装で意外と起こる失敗・トラブルに隣近所とのトラブルがあります。
お隣さんの建物や植木を汚してしまうといったことは、隣家との間隔のせまい住宅街などで良く生じるトラブルです。
「高圧洗浄の際に汚れた水がかかってしまった」「塗料が飛んで付着してしまった」といった失敗がよくあります。
原因
洗浄や塗装を行う際は養生をします。
周辺環境に合わせて飛散防止ネットや飛散防止シートで周囲を保護する作業です。
これが不十分だとお隣に迷惑をかける原因となることもあります。
対策
業者は、車や植木には忘れずに養生を行います。
隣家との間隔が狭い場合にはそちらまで飛ぶことがないか確認するといいでしょう。
においや騒音
塗料にはにおいが強いものもあります。
足場を組む際や、高圧洗浄時など大きな音がでてしまうこともあります。
対策
工事を始める前にご近所にはきちんとあいさつに行くのが良いでしょう。
業者が行ってくれる場合もありますが、任せっきりにせずに一緒に行くのが良いです。
せっかく防水をきれいにしても、ご近所との関係にひびが入ってはせっかくの塗装が台無しになってしまいます。
修理保証をしてくれない
防水の葺き替え工事をしたところ、1年もたたずに雨漏りし始めた。
契約内容に保証があるので問い合わせたところ、「その場合は保証の対象外です」の一点張りで保証に応じてもらえないというケースです。
原因
どの業者も保証をつけてくれるのが一般的でその期間は長いところだと10年くらいのところもあります。
しかし、保証で大事なのは期間だけではなく内容も重要です。
対策
保証については、後々のことを考え契約の際に詳しく確認しなければいけません。
実際にどういうときに保証をしてくれるのか、またどういうときは保証しないのかといった例を示してくれる業者は信頼できます。
訪問営業で即決は危険
訪問営業で即決するのはとても危険です。
「モデル、モニターをお願いしたいのでお安くします」「期間限定のキャンペーンなのでお安くします」のように、安くしてくれたので即決したという方もいらっしゃいます。
しかし、よく調べてみたら割り引いているが適正な価格より高かったり、ずさんな工事をされていた、などということがよくあります。
原因
大幅な値引きを見せることで安いように錯覚してしまうことがあります。
また、激安にしたしわ寄せとして、人件費を抑え、防水材や塗料を別のもので代替して使用するといった、「安かろう悪かろう」の工事をされることもあります。
対策
訪問営業でいい話を持ってきても、即決しないことが大切です。
十分に調査し比較検討したうえで判断することが良いでしょう。
2.工事会社選びが「成功」「失敗」の分かれ道
さて、皆さんは一つの物を買うときにどのようにして買いますか。
あれこれ悩み、更には他のお店を見たりして、いろいろな目線で判断するのではないでようか。
防水工事も同じです
実は防水工事も買い物と同じです。
当然いくつもの業者から自分の気に入った商品を選ぶことは大切です。
しかし、防水工事の場合は大きな買い物にもかかわらず、何となく調べたホームページで見積もりを取ったり、「ご近所で工事をしていますから価格的に安く工事ができますよ」などという営業トークで決めたりしてはいけません。
「仕上がりも施行事例を見ると問題なさそうだし、営業の方も熱心だから」などと、よく考えてみると決め手になる基準がはっきりしていないまま進んではいるケースがあります。
たとえ熱心に下調べをしたとしても、せいぜいカタログや資料などで耐久性や機能を確認する程度ではないでしょうか。
防水工事会社を選ぶには
では、数多くの防水工事業者からどのような判断基準でお願いする業者を選んだら良いのでしょう。
ここでは、防水リフォーム会社を選ぶポイントをお伝えします。
決め手は不安や不満を解消できるか
こんな会社は選ばないという判断基準には、不明・不安・不利益・不信感・不愉快ということが該当します。
逆に考えれば、業者を選ぶポイントは、不安や不満を解消できるかどうかということになります。
業者の良いところを見つけるのではなく、工事をすることに対する不安を一つ一つ明確にしてその不安を解消することがポイントです。
防水工事をすることになったきっかけを思い出しましょう。
そして、それに対する不安を書き出し、その不安がすべて解消できる業者こそ選ぶべき業者なのです。