防水工事は本当に必要?
耐震工事や住宅の修理となると、その必要性について理解しやすいかと思います。しかし防水工事となると、実際に工事が必要となった方以外は必要と感じにくいといえるでしょう。
防水工事の必要性を理解するためには、防水工事の意味や役割、工事内容など概要を知っておくことが大切です。
それでは、防水工事がなぜ必要か疑問を持たれている方へ、防水工事の概要から必要性についてご紹介いたします。
なぜ防水工事が本当に必要なのか
経年劣化や雨風によってひび割れや雨漏り、腐食などの被害によって建物の寿命は短くなり、建物内の物などに影響を与えますし、そこで作業や生活をしている人の安全にと関わる事態です。 また、自然災害による劣化がなくとも、新築の鉄筋コンクリートはひび割れを起こして、建物自体のダメージが徐々に広がっていきます。
こうした様々なダメージを放置した状態では危険ですし、個人や一般の方が対処できる軽い問題ではありません。
更に日本の場合は、地震や台風、梅雨、雪など様々な自然環境や災害が多発する地域でもあります。ですから、ひび割れや腐食を放置していては、更にダメージを増大させる原因になり、建物の寿命を縮めることとなります。
そこで専門の業者が、外壁塗装による外壁の保護やひび割れの補修、防水シートの追加など総合的な防水工事を施して、建物の耐久性を高めるのです。
つまり、全ての建物に存在する寿命や劣化に対して、改善する工事が防水工事といえるでしょう。
防水工事が必要なタイミングとは?
防水工事が必要なタイミングを図るには、専門業者を呼んで建物のチェックをしてもらうのが基本です。
しかし、専門業者を頻繁に呼ぶことはできませんので、日々の生活の中で防水工事の必要な事象をいくつかチェックできる場合もあります。
以下に、防水工事が必要なタイミングを紹介します。
- 雨漏りが発生している箇所がある
- 外壁や土台などにひび割れが生じている
- 防水シートの浮きや、剥がれかけている
- 防水シートが破れて消失している箇所がある
- ひび割れが生じた箇所から雑草が生えている
- 屋上やベランダなどに水たまりが発生する箇所がある
- 前回の防水工事から10年以上経過しており、1度もチェックしていない
- 外壁塗装が剥がれている
専門的な機器などを用いずとも、目視である程度チェックできる箇所はあります。定期的に建物の外壁や屋根、階段やバルコニーなどに目配りしてみましょう。
防水工事とは?
そもそも防水工事自体を知らない場合もあるのではないでしょうか。
耐震工事などと同様に、一戸建て住宅やアパート、マンションなどの建築物の防水性を高める工事のことです。
建物は常に雨や風、日光や日光による紫外線や熱によって、徐々にダメージを受けています。
また、ダメージというと建物の経年劣化による雨漏りだけではありません。
1つは、日光からの紫外線による外壁へのダメージです。
紫外線は建物の外壁塗装を劣化させ、次第に剥がれてひび割れを生じさせます。外壁塗装の劣化によって起こる被害としましては、ひび割れた所から風に乗って湿気や雨水を侵入させて、建物内部の劣化に繋がります。
例えば、建物内部の劣化とは、土台の劣化や柱の錆や腐食などが考えられます。
また、他のダメージとしては沿岸部などを中心とする、潮風による塩害や湿気による外壁へのひび割れから雨漏りや腐食といったケースもあります。
こうした建物の劣化に際し、耐久性や防水性を高めるために外壁塗装やひび割れの修繕工事、特殊シートを使用して防水工事を施します。
しかし防水工事というとアパートやマンション、一般住宅にも該当すると考えがちですが、一般住宅の場合は防水工事とは呼びません。
一般住宅における、雨漏り防止の工事の場合は、単純に雨漏り工事としてカテゴリされています。
防水工事は、雨漏り防止の工事だけではなく、外壁や屋根等の劣化箇所の補修や防水性を高めるための塗装など、様々な内容が含まれています。
防水工事の種類
防水工事には様々な種類があり、それぞれ費用や施工後の耐用年数に違いがあります。
例えば、以下のような防水工事の工法が一般的です。
- アスファルト防水
- 塩ビシート防水
- FRP防水
- ウレタン防水
簡単に各工法の概要を紹介します。
アスファルト防水
アスファルト防水の費用は、1㎡あたり6000円〜8000円が相場となっています。
また、施工後の耐用年数は、20年前後とされており防水工事の中でも長持ちといえるでしょう。
合成繊維不織布と呼ばれるシート(ルーフィング)にアスファルトを含ませ、それをアスファルトに何層も重ねていく工法です。
主にビルの屋上にて施工されるケースが多いです。
また、シートとアスファルトの層数によって、要求レベルによって防水性能を変えることができますし、建物ごとの耐荷重や種類によって適切な施工が可能となります。
塩ビシート防水
塩ビシート防水の費用は、1㎡あたり3000円〜5000円が相場で、施工後の耐用年数は13年前後となります。
塩ビシートで製造された、防水シートをビルの屋上や廊下、ベランダなどの下地に接着する工法です。
塩ビシートは柔軟性が高く、形状が複雑な箇所やシート同士が重なる場所でも、熱風を当てることによって形状にそって接合させることができます。
また、日光による熱や紫外線に強い特徴を持っています。
FRP防水
FRP防水の費用は、1㎡あたり6000円〜8000円が相場で、施工後の耐用年数は10年前後となります。
FRPとは繊維強化プラスチックの名称で、防水用ポリエステル樹脂と防水用ガラスシートを用いて防水層を作ります。
一般的な流れとしては、防水用ポリエステル樹脂を塗布したのち、防水用ガラスシートを張り付けて更にその上から防水用ポリエステル樹脂を塗布します。
他の防水工事と比較して、特に硬度が高く、耐衝撃性や耐水性に優れているため建物以外にも用いられています。
しかし、地震など非常に大きな衝撃に対しては、物の動きに柔軟に対応できないため、割れる可能性があります。
ウレタン防水
ウレタン防水の費用は、1㎡あたり6000円〜8000円が相場で、施工後の耐用年数は10年前後となります。
ウレタン樹脂を防水箇所に塗布し、化学反応によってゴム状に固まり防水機能を持ちます。
主な防水箇所としては、階段や廊下、ベランダなど様々な場所に工事できます。
また、液体上のウレタン樹脂ですから、複雑形状の場所でも自在に防水工事が可能です。
防水工事では、ベランダや屋上、外壁、廊下、階段など様々な場所において、熱や紫外線、雨水や腐食から保護することができます。
防水工事を行うことで得られるメリットや注意点
防水工事は、建物に居住している方や、作業している人や物の安全を確保する上で、重要な工事です。
また、防水工事のメリットや注意点についても知っておく必要があります。
防水工事を行うことによるメリットを以下に挙げます。
- 建物の耐久性を高めることができる
- 建物の耐水性を高めることができる
- 劣化、腐食した箇所の補修や修繕ができる
- 建物の寿命を伸ばすことができる
- 雨漏りなどの被害を改善できる
- 雨風、台風、梅雨、地震などによる雨漏りなどの被害を軽減できる
続いて防水工事に関連する注意点を以下に挙げます。
- 防水工事の費用が高くなるケースもある
- 正しく業者を選定しないと、悪質な業者に高い費用で手抜き工事される場合がある
- 防水工法には、それぞれメリットとデメリットが存在する。
特に気をつけるべき点は、どのような業界にも通ずることですが、防水工事にも悪質な業者による手抜き工事と法外な費用を要求するケースがあることです。
何となく選んだ業者が、悪質な業者である可能性は0ではありません。
ですから、見積もり会社による、相見積もりを利用することが大切なのです。
工事費用が高くなるケースですが、工事箇所の形状が複雑であったり工事範囲が広かったりしますと、その分工事費用に上乗せされます。
また、繁忙期の場合も工事費用が相場よりも高くなる可能性があるため、防水工事を発注する場合は時期も見極めましょう。