水漏れ調査の方法と価格
水漏れが発生した際、どのように調査すれば良いのかお悩みになる方は多いことでしょう。
本記事では、水漏れ調査の方法や価格などについて解説いたします。
水漏れが発生しやすい場所
水漏れ(漏水)は、以下のような水を使用する場所で発生しやすくなっています。
- 台所
- 洗面台
- トイレ
- 風呂場
- 給湯器
- エアコン
- 室外機
普段、生活していて、すぐに気が付く場所もあれば、表面からは分かりにくい場所もあります。
例えば、水道の蛇口から漏れている場合はすぐに気が付くものですが、給湯器や洗濯機の裏側の配管の接合部は見る機会が少ない部分であるため、少量の水が漏れていても、しばらく気が付かないままというケースがあります。
風呂場やトイレのように毎日使用する場所でも、内部構造が複雑だったりすると、表面的に見えない部分から僅かに水が漏れているケースがあります。
自分自身で水漏れの有無を調査する方法
水漏れは、ある程度は自分自身で調査することも可能です。
「どこから漏れているのか」を突き止める前に、まずは「家屋全体での水漏れの有無」を調査しましょう。
水漏れの有無の調査は、「水道メーターがどう動いているか」を確認するのが最も簡単な方法になります。
以下に、水道メーターの動きで水漏れをチェックする手順を示します。
- 家の中に存在する蛇口を全て閉める
- メーターボックスを開け、水道メーターの蓋を開く
- 水道メーターの中のパイロット(水量表示の左下の小さい羽のような部分)の動きを観察
水道メーターのパイロットと呼ばれる部位が回転している場合、家屋のどこかで水漏れが発生しています。
なお、微量の水漏れの場合、勢いよく動かないため、しばらく観察する必要があります。パイロットが回転しない場合、水漏れは発生していないと考えてよいでしょう。
自分自身で水漏れの発生箇所を特定する方法
水道メーターのパイロットを観察する方法によって「どこかで水が漏れている」ことが分かった場合、次に具体的な水漏れ箇所を特定する必要があります。
水漏れ箇所を自分で特定するために、先にチェックしておくべき点を以下に示します。
これらは、故障ではなく、単なる閉め忘れとか、ホースの接続が悪いだけというケースもあるので、確認しておきましょう。
- トイレタンクから水の流れる音が聞こえるかどうか
- → タンク内部のボールタップが壊れていると、排水用のゴム(フロートバブル)が動作できず、常に水が流れる状態になり、音が聞こえます。
- 外水道(散水栓、立水栓、コン柱)の蛇口を閉め忘れていないか
- → 庭などの屋外に設置している水道の蛇口にホースを繋いで水を撒いた後、元栓を閉めず、手元のシャワーヘッドでのみ停止した場合に、ホースから水漏れしているケースがあります。
- 風呂場のシャワーから水が出続けていないか
- → シャワーヘッドに付いている手元のスイッチで止めたつもりになっていても、僅かに水が流れ続けていることがあります。
- 洗濯機の水道との接続部から水が漏れていないか
- → 洗濯機にホースで水道を繋ぐ部分の接続が悪かったり、劣化している場合、水が漏れるケースがあります。
これらの点をチェックしても異常がない場合、家の中の全ての水回りを疑いましょう。
風呂場、トイレ、台所、洗面所などには止水栓が存在します。これを一か所ずつ止めていき、水道メーターのパイロットが動かなくなれば、そこから漏れていることが分かります。
止水栓を一つ一つ止めていっても発生個所が分からない場合、外部配管が劣化している可能性もあります。
このような場合、自分自身での調査を中断し、業者に調査依頼しましょう。
床下やコンクリートの基礎部分、埋没配管はプロの業者でなければ、調べることが出来ません。
業者による水漏れの調査方法
自分自身で調査しても水漏れ発生箇所を特定できない場合、プロの業者に調査してもらいましょう。
業者が水漏れを調査する際に使用する代表的な機器・手法を示すと、以下のようになります。
- 音聴棒(水道メーターや止水栓に直接当てて音を聴き取る装置)
- 漏水探知機(地中から伝わる漏水音を地表のセンサーで捉える装置)
- トレーサーガス(ガスを管路に封入し、漏水箇所からガスが出てくるのを探知機で測定)
- カメラ(管内にカメラを入れ、漏水箇所を視覚的に特定)
これらを用いることにより、素人では分からない水漏れも発見することが可能になります。
水漏れ調査の価格
水漏れ調査の費用は、業者によって差がありますが、相場を示すと、下表のようになります。あくまでもおおよその目安です。
方法 | 価格 |
---|---|
音聴棒を用いた調査 | 数千円〜1万5千円 |
漏水探知機を用いた調査 | 1万円〜1万5千円 |
トレーサーガスを用いた調査 | 管の口径などにより異なる (細い管の場合3万円〜4万円くらい。管が太くなるほど必要なガスの量が多くなり、費用も高くなる。) |
管内にカメラを入れて調査 | 2万円前後 |
漏水調査は「音」による調査(人間の耳で聴くだけではなく、電子的に増幅したり、センサーを利用するケースも含む)が一般的手法であり、様々な機器が存在します。
音聴棒(金属棒の先端に振動版を取り付けた単純な構造の機器)には様々な改良型機器が存在し、電子的に音を増幅させてヘッドフォンで聴き取る電子音聴棒という機器もあります。
音聴棒で分からない場合、センサーを用いて電気的に測定する漏水探知機を使用するケースもあります。
その他、センサーを用いる機器として、相関式漏水探知装置という水道管の2か所にセンサーを取り付けることにより漏水箇所までの距離をコンピューターが自動計算することが可能な装置もあります。
ただし、現在でも、単純な音聴棒が漏水調査の主力機器として使用され続けています。
音聴棒や漏水探知機など「音」による調査で分からない場合、「音」以外の要素で調査を行うことになります。
例えば、管路にトレーサーガスを封入し、漏水箇所からガスが出てくるのを検知器で測定することにより、水漏れが起こっている部位を特定する方法が用いられます。
ただし、トレーサーガスを用いた調査は、全ての業者で行われているわけではありませんので、依頼する前に確認すると良いでしょう。
その他、管内にカメラを入れて、漏水箇所を視覚的に特定する手法もあります。
なお、一戸建ての住宅で、庭に配管を埋めている場合、その部分を掘り起こして調査する際には、別途費用が発生します。
どのような機器・手法で調査するのかは、業者によって異なってくるため、上記価格はあくまでも目安です。
実際の価格は業者の公式サイトにアクセスして調べたり、電話で費用を問い合わせたりしましょう。
なお、依頼する際には、複数の業者に費用を問い合わせるべきです。中には、漏水箇所を発見できなかった場合、費用が掛からないというシステムの業者も存在します。
水漏れ箇所を特定したら
水漏れ箇所が特定されたら、すぐ修理を行いましょう。
調査を実施した業者に、その場で修理を依頼しても良いでしょう。
マンションなどで入り組んだ部分に漏水箇所が存在する場合、すぐに修理を行えないケースもあります。
それでも、可能な限り、早めに修理を行いましょう。漏水を放置しておくと、マンションの場合、階下の住民に迷惑を及ぼすことがあり、損害賠償を請求される可能性もあります。
水漏れ箇所の修理費用
漏水箇所を補修する工事の相場は、一般住宅における代表的な事例について、以下のようになります。
家屋の構造や漏水箇所、状態、業者によって価格が異なるため、あくまでも目安です。
修理内容 | 価格 |
---|---|
蛇口のゴムパッキンの交換 | 数千円〜1万円 |
ゴムパッキン以外の部品の交換 | 1万円〜3万円 |
埋没配管を掘り起こすなど、大がかりな工事が必要となる場合、これ以上の費用が発生します。
その場合、家屋の構造によって工事の難易度が変わり、費用も変動します。
また、業者によって費用が異なるため、複数の業者に見積もりを出してもらって、比較検討すると良いでしょう。
まとめ
水漏れの調査・修理の方法について、流れをまとめると、以下のようになります。
-
全蛇口を閉め、水道メーターのパイロットの動きを観察
↓
(ここでパイロットが回転しなければ、水漏れはありません) -
トイレや外水道、シャワー、洗濯機と水道との接続部などを確認
↓
(パイロットが動いている場合、まずは良くある発生箇所を確認しましょう) -
止水栓を一つずつ閉めながら、水道メーターのパイロットの動きを観察
↓
(良くある発生箇所を確認しても分からない場合、一つ一つ調べましょう) -
業者に問い合わせ・調査依頼
↓
(水漏れの発生箇所が不明な場合、業者に調査依頼しましょう) -
業者による漏水調査
↓
(音聴棒、漏水探知機、トレーサーガス、カメラなどを使用) -
修理
(漏水箇所が判明したら、速やかに修理しましょう)
水漏れは、プロの業者に依頼する前に、ある程度までは自分自身でも調査できます。
家の中の蛇口を全て閉めてから、水道メーター内のパイロットの動きを観察することにより、水漏れの有無を調べることができます。
水漏れの発生箇所も、止水栓を一つ一つ止めながら調査することによって、自分で特定することが可能なケースもあります。
「家の中のどこかで水漏れが発生している」ということまでは判明しているにもかかわらず、具体的な発生箇所が特定できない場合は、プロの業者に調査を依頼しましょう。
業者は、音聴棒や漏水探知機、トレーサーガスなどを使用して、水漏れが発生している箇所を特定します。
漏水を放置しておくと、マンションの場合、階下の住人にまで被害が及び、損害賠償を請求されるケースもあります。
漏水が疑われる場合、なるべく早く専門の業者に調査を依頼すべきです。調査の結果、問題の箇所が特定できたら、該当部分を直ちに修理しましょう。
なお、業者を選ぶ際は、各市町村の水道局から「指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)」に指定されてるか必ず確認しましょう。