飲食店に防水工事は必要？注意点やポイントを解説
これから飲食店の開業を予定している方の中には、防水工事について気になっているのではないでしょうか。「厨房に防水工事は必要・・？」といったように、防水工事が必要かどうか悩むところです。
防水工事といえば、一戸建て住宅やマンションなどのベランダや屋根、屋上などに施す工事をイメージします。しかし、防水工事は飲食店にも必要ですので、開業予定の方は確認と工事発注の準備もしておきましょう。
今回は飲食店を開業したい・開業予定の方に向けて、防水工事の必要性や注意点について分かりやすくご紹介します。
飲食店の防水工事の必要性と注意点
まずは飲食店に防水工事がなぜ必要なのか、理由や主な注意点をご紹介します。飲食店を開業する場合は衛生面などに注意を払いますが、防水工事も衛生に関係しています。
また、工事のタイミングも大切ですので、開業前に把握しておきましょう。
飲食店の防水工事は必要
飲食店にも防水工事は必要ですが、外壁や屋根などだけでは不十分です。なぜなら飲食店に必ず設置している厨房も、防水工事の必要な箇所だからです。
厨房は水を大量に使用する場所でもあるため、排水管や排水溝などが破損してしまうとつまりや水漏れに繋がります。
また、水漏れや排水設備の破損は、衛生面でもリスクがあります。たとえば厨房に長時間水が溜まり続けると、雑菌の繁殖やサビ、腐食などの可能性もあるため防水工事が欠かせません。
防水保証書も受け取っておく
飲食店の防水工事を依頼する時は、優良な防水工事業者へ工事をしてもらうことも大切ですが防水工事保証書も忘れてはいけません。
防水工事保証書とは、防水工事完了から一定期間、保証を受けられる旨を記述した書類で、保証制度を受けることができます。
そして防水工事保証書の保証条件は、主に以下の内容です。
- 防水工事業者が原因とした不良
- 材料を原因とする不良の場合は、材料を製造した業者の責任範囲
- 突発的な事故や天災を原因とする漏水は対象外
- 故意に防水層を破損させた場合は対象外
このように防水工事の保証は、施工不良による漏水や防水層の破損によって適用されるので、防水工事保証書は工事後に必ず確認・受け取っておきましょう。
また、防水工事保証制度が適用されれば、保証の範囲内で防水工事の費用をカバーしてくれます。
飲食店の防水工事費
防水工事を依頼する時に悩むポイントの1つが、どの工事にかかる費用です。住宅やマンションなどに施す防水工事と、厨房に行う防水工法に大きな違いはありません。
たとえば以下のような防水工法を、厨房の材質や状況に応じて選択します。それぞれ1㎡単位で費用を計算するのが一般的です。
- FRP防水:6000円〜8000円
- ウレタン防水:4500円〜6500円
- シート防水:3000円〜5500円
シート防水は安価ですが複雑な形状では難しいケースもあり、ウレタン防水やFRPは複雑な形状も防水層を構築できます。
開業前に防水工事を行うべき
飲食店の防水工事は、開業前に行うことが大切です。開業後に行ってしまうと、万が一防水工事前に漏水やつまりによって衛生面での不備が発生し、賠償費用などのリスクにつながります。
また、厨房の防水工事は、自宅の水道修理と違い設備機器の一時撤去や、長期休業など多くの手間と費用がかかります。
長期休業中は利益0円のだけでなく、防水工事の費用捻出も必要ですのでコスト面でもリスクのある選択です。
開業前に防水工事を含めた事業計画を検討しておきましょう。
飲食店で用いられる厨房の管理方式
飲食店の厨房には、ドライキッチンとウェットキッチンと呼ばれる管理方法があります。ここでは、それぞれの管理方法について解説します。
厨房は防水工事だけでなく、防水工事後の管理にも注意しなければいけません。
ドライキッチンとは
ドライキッチンとは、文字通り乾燥したキッチンのことです。厨房内の床などに水を残さず、常に乾燥した状態で運用・管理します。
ドライキッチンのメリットは、厨房スタッフの転倒・怪我リスクや雑菌の繁殖を抑えることができるところです。床が濡れていると滑るため、安全対策という面でも有効でしょう。
また、複数の店舗が集約されている百貨店やショッピングモールの出店は、隣接する店舗などへ臭い・衛生対策としてもドライキッチンをおすすめします。
ウェットキッチンとは
ウェットキッチンとは、床を水で常に濡らしている状態の厨房を指します。主なメリットは、調理中に床へ飛散した油などを効率よく流すことです。
他にも清掃時に水を撒いても問題の無い構造のため、掃除しやすいといった点もメリットといえるでしょう。しかし、水を溜めないようにしなければいけないため、排水溝へ向かって床に傾斜を付ける必要があります。
また、ドライキッチンと違い、常に床が濡れているため菌の繁殖や臭い対策が必要です。
飲食店の防水工事の流れ
続いては、飲食店で行われている防水工事の一般的な流れをご紹介します。ベランダや屋上防水工事とは違う作業も含まれているので、初めて防水工事を依頼する方は特に確認しておきましょう。
厨房内の機器を取り外す
開業後の飲食店の防水工事では、まず厨房内の設備機器を取り外したり外へ移動したりといった作業から始まります。また、厨房設備を搬出できない場合が多いため、店舗入り口などの解体作業が必要です。
このように開業後、営業中の場合は、防水工事だけでなく厨房設備機器の取り外しと移動、そして搬出経路確保のために解体工事も含まれます。
もちろん防水層は経年劣化するため開業後も防水工事は必要ですが、初回の防水工事は開業前に依頼しましょう。
不要な物を撤去処分
解体作業が含まれている場合は、搬出経路に発生した廃棄物（がれきなど）の撤去処分を行います。また、厨房設備機器は家庭用の家電製品と違い、大きな設備ですので解体箇所も広がる可能性があります。
解体作業に伴う産業廃棄物の処理については、法律で定められた処理方法があるので解体業者選びも慎重に考えましょう。
厨房の防水工事
解体や廃棄作業が完了した後に、防水工事が始まります。新規に防水層を構築する場合は、下地処理後にFRP防水やウレタン防水へ入ります。
しかし、既に防水工事が施されている場合は、防水層を剥がす作業を行うため準備が必要です。防水工法については、各厨房の状況や予算などによって変わるため、見積りの段階で詳細に確認・相談することも忘れないようにしましょう。
復旧作業
開業後の防水工事の場合は、左官工事や給排管工事も入ることもあります。そして、各種工事が完了すれば、厨房設備機器を搬入したり解体した箇所の復旧工事を進めたりします。
ベランダや外壁、屋上防水工事と厨房の防水工事は、作業工程に大きな違いがあります。特に厨房設備機器の搬出・搬入作業や、解体は復旧を含め時間のかかる作業です。
営業中に防水工事を検討する場合は、休業期間中の売上損失やタイミングなどを慎重に考えながら計画を立てることも大切です。
防水工事会社に依頼する際の注意点
ここからは防水工事会社に依頼する際の注意点について、飲食店に関わるポイントを中心に解説します。
防水工事経験豊富な業者に依頼する
防水工事は、業者によって対応方法や作業内容、技術力に違いがあります。また、慣れている現場にも違いがあるため、飲食店・厨房の防水工事の経験豊富な業者か確認しましょう。
防水工事と一言で表しても、住宅の外壁・屋根・ベランダ、マンションの屋上など、さまざまな場所で必要とされる工事です。そのため業者によっては、飲食店の防水工事には慣れていない可能性もあります。
公式サイトがあればサイト内の施工事例を確認し、なければ直接問い合わせてみることをおすすめします。
見積り金額が相場から外れていないか
防水工事業者の中には相場よりも安過ぎる・高過ぎるといった金額で、見積り作成するケースがあります。
安過ぎる見積りは、作業内容を一部手抜きしている可能性もあるため避けましょう。また、高過ぎる見積りは、いわゆるぼったくりの可能性が高く悪質な業者といえます。
相場を確認する方法はいくつかありますが、相見積りも大切です。複数社に見積り依頼を行う方法のことで、工事費用を比較しながら相場を確認できます。
飲食店の防水工事は大掛かりな作業になるため
優良な業者に依頼することが大切
飲食店の防水工事は、厨房の床などに防水層を構築します。開業前の場合は、厨房設備機器を設置していないので、解体作業などは含まれません。しかし営業中の場合は、厨房設備機器の取り外しや搬出経路確保のために、入り口などを一部解体する必要があります。
厨房の防水工事は、売上や衛生面に大きく関係するため、経験豊富な優良業者かどうか慎重に選ぶことも大切です。
当社では、独自の厳しい審査に通過した防水工事業者のみに、一括見積り依頼を行います。まずは無料見積り依頼をご検討してみてください。
