防水工事会社によって見積額が大きく異なるのは何故ですか？【防水工事セレクトナビ】

防水工事を施工する際に、複数の業者に見積もりを出してもらったら、見積額が異なることは普通にあることですが、その金額の差が数万円程度の差であれば理解できるかもしれませんが、それが数十万円も違っていた、となれば、「？」と思うかもしれません。けれどこれは充分にあり得ることです。店で物を購入するような場合なら、複数の店舗で同じ商品を比べてみて、一番安い店で買えばよい、ということになりますが、防水工事のように「物＝材料」に加え「技術＝施工する業者の人と技量」も買わなければならない場合は、費用が安いほど優良な施工業者とは必ずしもいえず、内容と費用のバランスをよく考慮して比較する必要があります。安い見積もり金額の方が優良な業者の場合もあれば、その逆に高い見積もり金額の方が優良な業者の場合もあり得ます。
例えば、安い金額で済む業者は、その分安価な材料を使い、安価で済む工法を選んで施工するかもしれません。また安い分工事も手抜き気味で、実際の工事の出来がお粗末なものだった、ということになる可能性もあります。またその逆に、高い金額がかかる業者は、耐用年数の長く信頼性の高い材料を用い、作業も妥協せず行なって、一切手抜きをしない、その結果素晴らしい防水施工を施してもらえた、ということもあり得ます。そうであれば、金額が高い業者の方が優良な業者だった、といえます。それにもちろん、何人の作業員を投入するか、ということも値段を左右します。防水工事とは「職人」が行うものであり、プライドが高く技術もしっかりした職人は妥協しないものなので、その分金額は高くなることは充分にあり得ます。

一例として、実際の防水工事の見積もり時に起こり得るケースを考えてみましょう。
［工事内容］・・・一戸建の外壁と屋根の防水塗装工事
［仕様］・・・ウレタン防水塗装
この防水工事を４つの業者に見積もり依頼したら、それぞれ以下のような見積もり金額を出しました。
・A社・・・８０万円
・B社・・・１００万円
・C社・・・１２０万円
・D社・・・７０万円
全ての業者が同じ工事をする前提なので、金額の面ではD社が最も安く、C社が最も高いです。
しかしその工事期間と作業人員が、
・A社・・・１週間、２名
・B社・・・２週間、３名
・C社・・・１０日、３名
・D社・・・２週間、１名
だとします。それであれば、「一人当たりの人件費はいくらになるのか」ということも問題になります。ウレタン防水は基本的に手作業なので、腕の良い職人が多いほど早く綺麗に仕上がります。であればA社とD社は不安に感じる提案ですし、B社とC社は同じような水準で行なってくれるように思えるでしょう。

また、防水工事業者にも規模の大小があり、それぞれ利益率というものも異なります。例えば１００万円の工事であれば、「利益率が５０％の業者なら、利益＝５０万円、工事原価＝５０万円」で、「利益率が３０％の業者なら、利益＝３０万円、工事原価＝７０万円」です。これなら、同じ１００万円の工事を発注すれば、利益率が低い業者の方が工事にかけられる費用が高くなるので、その分質の高い工事をしてくれる可能性が高いと思えます。

このように、単純に金額の高い安いだけでは一概に業者の優劣は計れず、見積もり金額が大きく異なることはよくあることです。複数の業者に見積もりを出してもらう際には、これらを留意して比較して下さい。