防水工事を実施する際に助成金は使えますか?
民主党政権時代、当時「新成長戦略」の一環として、住宅政策を新築重視からストック重視のものに切り替えることを狙って、既存住宅・中古住宅の流通を促進して、またその耐久性を増すことを優先課題としました。その政策に沿り、国土交通省が住宅の耐震改修工事などへの補助金制度を打ち出しました。これが「既存住宅流通活性化等事業」です。この制度では、「住宅の性能を維持・向上させるためのリフォーム工事」を行うと、その工事の費用の4分の1、最大で100万円までの補助金が支給される、となりました。ただし、全ての施主に適用されるわけではなく、「昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた建物。および、平成12年3月31日以前に竣工した建物」のみが適用対象となる、となっています。
例として、この対象範囲内にある住宅において工事を行った場合、補助金がどのように支給されるかを挙げてみます。まず、この補助金には、「リフォーム瑕疵保険・現場検査料・住宅履歴情報費用」が含まれます。もし工事内容として、「1.外壁塗装工事・・・170万円」「2.シロアリ防除工事・・・30万円」を行い、消費税別で合計金額200万円の工事をしたとします。その場合、「200万円÷4=50万円」の補助金が支給されます。
そして、当初この補助金制度の対象として想定されていた住戸は「5000戸・総額50億円」だったのですが、実際に施行されると工務店などが大量に申請したため、国土交通省が再度通達を出し、その結果「構造または防水工事を伴うタイプのリフォーム工事」に、この制度を限定しました。よって、もしこの補助金制度を利用したいのであれば、工事の内容に防水工事が含まれている必要があります。つまり、「屋根や屋上などの防水工事」「外壁塗装工事、もしくは外壁の目地や窓まわりなどの防水工事」が含まれている必要があります。
以上に述べたのは、一戸建での防水工事における国家補助金制度についてですが、大規模建築物であっても、自治体によっては、屋上防水工事に助成金を出す自治体もあります。例えば、東京都港区もその一つで、港区のホームページを参照すると、「港区では、地球温暖化対策及びヒートアイランド対策として、建築物の屋上又は屋根に高反射率塗料の被覆工事を実施する建築物の所有者の方に、工事費の一部を助成しています。」とあります。助成を受けるには、対象者や金額算定方法や上限額などの条件がありますが、港区の例を簡単に述べると、所有者は「区内に建築物を所有していて、屋上または屋根が所有者全員の共用の場合はその同意を得た管理者か管理組合の代表者」となっており、金額算定方法は「A.工事の経費の2分の1、B.塗料塗布面積(平方メートル)に4500円を乗じた金額、このA、Bの小さい方の金額」となっており、提出書類として「屋上階の平面図や立面図か現況写真、塗料塗布面積が分かる計算書、経費の見積書、使用予定塗料の資料、など」が挙げられています。
これまで国家補助金と自治体助成金について述べましたが、当然ながらその仕組み上、予算がなくなり次第終了となる場合があります。また、補助金や助成金を利用すれば当然、工事の際の依頼者の支出は安く済みますから、業社の中にはそれを知り、本来の工事費よりも高めの見積もりを出してくるケースも考えられます。よって、見積もりを出してもらう場合は、複数の業社から見積もりを出してもらったほうがよいと思われます。
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