雨漏りは何故止まらないのでしょうか?
「雨漏りが発生したので業者を呼んで工事してもらい、安心したのもつかの間、また雨漏りが発生し、止まる気配がない・・・」こんなことがあるかもしれません。ではなぜ、雨漏りが止まらない場合があるのでしょうか。以下にその原因を挙げてみます。
■工事を依頼した業者が得意としていない種類の建物だった
建築物には、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、いろいろな種類があり、その外壁の種類にもいろいろあります。またそれに施工するための防水工法にも、いろいろな種類があります。防水工事業者が得意とする建物の種類もそれぞれ違うので、頼んだ業社が得意としていない建物だった、ということもあり得ます。そのため上手く工事が施工できなかった、というケースがあります。
■建物を建てた業社が欠陥を認めたがらない
普通、ちゃんとした施工がされていれば、新築の建物の屋根や外壁が10年程度で寿命が来ることはありません。つまり雨漏りが発生している時点で、その建物のどこかに欠陥があるわけです。もし建物を建てた業社が全面改修工事を提案すれば、それは欠陥を認めたことになってしまうので、保証期間が終わり瑕疵責任が無いとしても、なかなか全面改修工事を提案することはありません。よって建物を建てた業社に頼んでも、雨漏りは止まりません。
■雨漏りの原因究明をちゃんとできない業社がいる
一般的に、建築士でも建物を建てた業社でも、雨漏りの原因究明は難しい、といわれています。雨漏りの原因究明つまり「雨水がどこから浸入してどこを通り部屋の中に漏れてきたか~」を診断するのには、建物構造知識が不可欠で、その知識が無い者が工事をしても、そもそも原因究明ができていないのですから、あてずっぽうな工事で終わってしまい雨漏りは止まりません。全国防水工事業協会が、雨漏り対策の知識を向上させるための資格として「防水施工管理技術者」という資格を作り、建築士に取得を推奨しています。これを持っている者であれば、適切な原因究明ができるでしょう。
■散水試験に依存しすぎている
散水試験とは、雨漏り調査の際に、原因箇所と思われる箇所にホースで水をかけ、実際に水が漏れてくるかどうかを確認する検査法のことです。これをしても水が漏れなかったから問題なし、逆に漏れてきたから原因はここにある、と判断を過信してしまうことがよくあります。けれど建物や住宅というのは、100%の止水性能を有するわけではないので、水をむやみやたらにかけすぎれば、必ずどこからか雨水が浸入してしまいます。それを雨漏りの原因だと勘違いして、補修工事に失敗することがよくあります。
■一見してわかることのみを調べすぎている
今の時代、雨漏りの原因が建物の経年劣化であることはほとんどないものです。よって業者が雨漏りの原因を調べてもわからない場合、それは建物のどこかに欠陥があるのが普通です。屋根の瓦がずれているとか、壁の漆喰が剥がれているとか、防水層のシーリングが破断しているとか、そういう一見してわかることが原因ならば、初めに調査した業者がすぐに発見するはずです。雨漏りの原因はパッと見ただけではわからないのがその性質なので、こういう「一見してわかることのみを調べる」ような業者では、原因は究明できません。
■雨水が浸入する入り口を塞ぐことしか考えていない
建物の屋根や外壁は二重構造になっていて、「1.雨水ができるだけ浸入しないように水の入り口を少なく小さくする」「2.万が一雨水が浸入しても溜め込まずに速やかに出口から排出させる」という、2つの概念が合わさり成り立っています。けれど業者の中には、このことを理解しておらず、雨水が浸入する入り口さえ塞げばよいのだ、と誤解しているケースがあります。もし入り口が複数あるのなら、一箇所を塞いだだけでは浸入は止まりませんし、出口が詰まっているのなら雨水は排出されません。よって、この2つの概念の両者を理解している業者でないと、適切な防水工事はできません。
■業者が手抜き工事などをしている
当然ながら、悪質な業社が手抜き補修工事をして、その結果雨漏りが止まらない、ということもあり得ます。また、本来雨漏り補修は特別難しいものではないので、ほぼ一度の補修で雨漏りは止まるものです。しかし悪質な業者は、「第一段階の補修で止まるかもしれませんが、第二段階、第三第四段階まで補修工事をしないと止まらないかもしれません。最後までやるので、信頼して下さい」などと言い、工事費用を何重にも上乗せしてくるかもしれません。こうなったら、当然雨漏りはいつまで経っても止まりません。
もし業者に補修工事を頼んでも雨漏りが止まらないのなら、上記のどれかに当てはまるでしょう。これらをチェックして補修工事をされることをお勧めします。
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