アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングとは、有機天然繊維を主原料とした厚いフェルト状の原紙もしくは板紙(アスファルトフェルト)の両面に、被覆用アスファルトを浸透・被覆し、粘着防止のために砂や細かい雲母などの鉱物質の細粉を付着させた防水シートのことです。
水分を通さないので、主にアスファルト防水や屋上・屋根などに用いられる防水・防湿材料です。
ロール状に長い製品と、シート状にカットした製品があります。
触感は紙やすりのようなザラザラした感じがします。
防湿性、耐候性に優れ、表面の砂は滑りにくくその上での作業上安全なので、屋根下葺材として用いられます。
塗布する材料の品質を改良して劣化やべたつきを減らしたり、これを既存のアスファルトの上に層状に塗り重ねたりした、改質アスファルトルーフィングと呼ばれるものもあります。広義でゴムアスファルトも含みますが、狭義では混ぜものの無いアスファルトを紙や不織布などに含侵させ積層させたものを指します。
基材を板紙としたものは紙製品に分類される場合があります。アスファルトルーフィングに加工するための基材の板紙をルーフィング原紙と呼びます。
主にビルの屋上や家屋の屋根に敷いて、防水材として用いられます。特にRC造などの陸屋根(フラットな屋根)の防水などに使われます。
日本の民間家屋においては、大正時代に一般化し始め、関東大震災の復興建築を機に、広く利用されるようになりました。
屋根に使う場合は、上に瓦やスレートなどを敷くことが多いです。また、アスファルトルーフィングの上にアルミを蒸着した遮熱シートを敷いて、屋根からの輻射熱を軽減するように施工されることも多いです。
アメリカの格安住宅などでは、野地板の上に張って屋根表面に剥き出しにすることもあります。
台湾蘭嶼の「地下屋」と呼ばれる木造民家のように、野地板も用いず、アスファルトルーフィング自身を竹の梁に留めて屋根として使う特殊な例もあります。