アスファルト系防水工法
アスファルト防水工法には、熱工法、トーチ工法、常温工法があります。
熱工法は、アスファルト溶融釜で220~270度に溶融した防水工事用アスファルトを使用し、ルーフィングシート複数枚を交互に積層して防水層を作る工法です。
溶融釜を使用して溶融しますが、溶融されたアスファルトは、ルーフィング類を張り付けた後時間を経ずして硬化し、防水層としての機能をすぐに発揮します。防水層を完成させるまでの作業時間に養生時間や養生期間がなく、防水層を容易に作ることができます。
この工法の問題点は、溶融したアスファルトが異臭や煙を放つこと、溶融温度が極めて高温のため作業員の危険を伴うことです。
トーチ工法は、暑さ3~4mm程度の改質アスファルトルーフィングシートの裏面と下地を、トーチバーナーであぶり溶かしながら貼り付け、貼り重ねる工法です。
ルーフィングシートをあぶり融かして貼り付けるだけの簡単な作業で、容易に防水層を作れます。
この工法の問題点は、シートのあぶり不足が原因で、早期劣化や雨漏りなどの不具合が多く発生していることです。作業精度の高さが要求されます。
常温工法は、常温状態で液状のアスファルト材を用い、改質アスファルトルーフィング複数枚を、交互に積層して張り合わせる工法です。冷工法とも呼ばれます。
火気および有機溶剤等を使用しないので安全性が高く、近隣環境に対しても影響を与えない点が長所です。
しかし粘着層付き改質アスルーフ類は、粘着性が強いことから、ルーフ類の下に空気を抱き込みやすいという問題がある他、冬季の低温時の施工では粘着層が固くなり接着しにくいという問題があります。
また、液状のゴムアスファルトを使用する工法では、材料の硬化に時間がかかるため、天候の変化への対応ができないという問題があり、冬季の低温時には材料の凍結に注意しなければならないという問題があります。