アスファルト防水
アスファルト防水とは、合成繊維不織布にアスファルトを含ませコーティングした、シート状のルーフィングを貼り重ねて形成する工法です。ルーフィングを積層することにより、水密性に優れた防水層が構成されます。
熱工法(密着工法と絶縁工法)、トーチ工法(密着工法と絶縁工法)、常温工法(接着工法と絶縁工法)があります。いずれも、防水防水層が厚く連続しているため、施工のばらつきが少なく、信頼性の高い工法です。
主に鉄筋コンクリート造りなどの建物の陸屋根(ろくやね)などの防水工事に用いられます。
長所は、防水工法の中で最も歴史が古く、そのため信頼性が高いところです。アスファルトを染み込ませるので、防水性能を確保しやすく、コストもそれほどかかりません。
防水層が厚く、シームレスに連続するので、水密性が高いのも特徴です。
ルーフィングを積層することにより、水密性に優れた防水層が形成されるので、露出仕上げや押えコンクリートで仕上げたり、屋上緑化を施したりと多彩な仕上げが可能です。
注意点は、高熱でアスファルトを溶かす必要があるので、溶融の際危険があり、また工事中に臭気が発生することです。しかし最近では工法が改善され、臭いの発生も少なくなっています。
保護モルタルで押さえれば耐久性もかなり高くなり、また他の工法よりも耐用年数が長いので、メンテナンスの回数も減少させることができます。
短所は、幾層も重ねた上にアスファルトを流す手間もかかるので、工事の手間が多くなることです。
上を歩く場合、露出したままにはいかず、上に保護モルタルを貼る必要があります。そのため屋根が重くなってしまうので、木造建築には向いていません。
また紫外線が当たると硬化して劣化していくので、防ぐために保護が必要になります。
日本の民間家屋においては、大正時代に一般化し始め、1923年の関東大震災の復興建築を機に広く利用されるようになりました。