ウレタン防水
ウレタン防水(ウレタンゴム系塗膜防水)とは、液体状のウレタン樹脂を塗り付けて、塗布した材料が化学反応して固まる(硬化する)ことにより、ゴム状で弾性のある、一体性のある防水膜を形成する防水工法です。
液体状の不定形材料を使用し現場で塗る工法なので、下地の形状に馴染みやすく、複雑な形状をした場所でも、シームレスで継ぎ目のない完全な防水膜を形成でき、水密性の高い連続皮膜を形成できます。
シート、FRPなど他の防水材料との複合防水工法では、性能面・意匠面でも豊富なバリエーションがあり、またその信頼性の高さからさまざまな用途に対応できます。
熱帯の酷暑や、寒冷地の酷寒にも耐えられるウレタンを防水に使用する事で、ニーズによって他のシート材などと複合構成させたり、ウレタンの厚みや材質を変えたり、仕上げに機能を与えたりして利用できます。そのため、屋根雨漏り修理やビル改修防水工事に適しています。
環境に優しい材料の組み合わせで施工できるので、現在では屋上・マンションの開放廊下・階段室、ベランダ・ルーフバルコニーなどさまざまな場所に施工されており、歩行用から運動用まで様々な仕様目的に対応できる特徴があります。
ウレタン防水は、塗膜防水の膜厚が薄いと、紫外線や熱により早期劣化が生じやすく、また地震や気温の変化による建物の伸縮から発生する下地の挙動に追従できないので、破れ・亀裂の原因となります。ペンキのような薄っぺらい施工では長持ちしないので、所定の材料使用料を守り、均等に塗布することが大切です。塗膜の均一性を上げることが、長持ちさせるポイントです。
5年程度毎に最上層を塗り直せば、15年程度の耐久性(防水性能の保持)が期待でき、さらに改修時に廃材が出ないので、環境保全と資源有効利用、コストの面で有利だと言えます。
下地の種類や状態、使用される用途によって、密着工法・通気緩衝工法・機械的固定工法の三種類の工法があります。