オープンタイム
オープンタイムとは、さまざまな防水工事の際に接着剤を塗布するケースがありますが、材料同士を実際に接着させるまで開放しておく時間のことで、ゴム系接着剤、ホットメルト接着剤で用いる言葉です。
例えば速乾接着剤などを塗った後、所定の性能が発揮されるまで放置する時間のことで、要するに「待ち時間」のことです。オープンタイムが経過してから、両材を接着します。材料の両面に接着剤を塗布し、表面が適度に乾燥する程度のオープンタイムを取ってから張り合わせると、仮止め不要の初期強度に優れた接着ができます。
ゴム系接着剤の場合、結果として接着剤の流動性は小さくなるので、圧締が必要になります。
ホットメルト接着剤の場合、高温で溶融し、温度が下がって粘着性がなくなる前に塗布して貼り合わせる必要があります。オープンタイムは通常2~3秒から10秒程度です。
しかしある一定の時間を過ぎると「ヌレ(流動性・粘り)」が悪くなり充分な接着性能が発揮できなくなります。接着剤はメーカーの試験により、接着可能時間(張りあわせ可能時間)が温度別、下地材別に設定されています。
接着剤のメーカー仕様書・説明書には、間違いを避けるため「接着剤塗布後○○分から張り始め、○○分には張り終わるようにして下さい」という説明も多くなっています。「待ち時間」と「張り付け可能時間」という言葉で明確にしているメーカーもあります。
具体例を挙げると、建築の現場で床ビニルタイルを張る場合、接着剤を塗布してすぐに張り付けるとタイルがずれてしまうという問題が発生します。床ビニルタイルの施工では、張り付けたタイルの上に乗って次のタイルを張るため、ズレが起こると施工できなくなります。特にエマルション形接着剤を使用した場合は顕著です。そのため接着剤塗布後ある一定時間放置し、張り付け作業に入りますが、この時間のことをオープンタイムと言います。