ガラスマット
FRP防水工事は最近盛んになってきた防水工法ですが、施工の際には、ガラスマットが使われます。
FRPは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維などの強化材(補強材)で補強したプラスチック、という意味ですが、FRP防水は、液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの補強材と組み合わせて一体にした塗膜防水です。
その際のガラス繊維とは、ガラスを太さが5~10ミクロン(1000分の5-10mm)ぐらいの極めて細い糸状にしたもので、その繊維を集めて糸状にした物を束ねたものです。ガラスマットとは、そのガラス繊維をマット状に加工したもので、他にもクロス状のガラスクロスもあります。
ガラスマットは、短く切ったガラス繊維をランダムに重ねて布状にしたものです。型の曲面にもなじみやすく重ね合わせて目的の厚みにすることができます。樹脂が染み込みやすく刷毛だけで作業できますが、引っ張りや裂けそうになった時の強度が弱く、ぶつけると切れやすいです。コストは安くつきます。
ガラスクロスは、ガラス繊維の糸を交差させて織って布状にしたものです。ガラスマットよりも薄いが長い繊維を織り込んでいるので、引っ張り強度が強いです。薄く均一な成型品を作るときなどに使用します。樹脂が染み込みにくくローラーなどの工具も必要になります。
要するに、ガラス繊維を重ねたものをポリエステル樹脂と硬化剤で固めたものが、FRPとなるわけです。
現在では「DIY」の一つとして、一般のホームセンター等でも材料が売っているので、自分で施工を行う人も増えています。その際の手順や材料の情報も、インターネット上にたくさん掲載されています。
ガラス繊維を使用するという素材の特質上、リサイクルや廃棄処分が難しい、という欠点があります。