メンブレン防水
メンブレン(membrane)とは「膜」「薄い皮膚」という意味で、メンブレン防水とは、薄い防水層で屋根や屋上などの広い面積を全面的に覆う防水工法のことです。
防水層の膜に液状の樹脂類を用いる「塗膜防水工法」、最初から膜状となっている防水材を現場で貼り付ける「シート防水工法」、膜状の防水材を液状の補助剤などで隙間の無いように張り合わせる「複合防水工法」とに分けられます。
塗膜防水工法には、
■ウレタンゴム系防水層・・・補強布と組み合わせて塗りつける塗布工法と、吹き付け工法があり、歩行が可能。
■ゴムアスファルト系防水層・・・補強布もしくは改質アスファルト系シートと組み合わせて塗りつける塗布工法と、吹き付け工法がある。通常、表面は保護仕上げにする。
■FRP系防水層・・・ガラス繊維による強化プラスチックを使用した工法。軽く強度が高く、重歩行が可能だが、下地への追従性は低い。
■アクリルゴム系防水層・・・アクリル酸エステルを主成分にした工法。塗布工法と吹き付け工法がある。下地への追従性が高く、通常、外壁の防水に使用される。
■セメント系防水層・・・基本的に下地は現場打ちのコンクリートに限定される。水槽や地下の防水に使用される。
があります。
シート防水工法には、
■合成ゴム系防水層・・・シートを接着剤で張り付けるか、ビスなどで固定する。下地への追従性が高いが、鳥害を受けやすく歩行には適さない。
■塩化ビニル系防水層・・・シートを接着剤で張り付けるか、ビスなどで固定する。軽歩行が可能。
■ポリオレフィン系防水層・・・シートを接着剤で張り付けるか、ビスなどで固定する。下地への追従性が高いが、歩行には適さない。
■エチレン酢酸ビニル樹脂系防水層・・・シートをポリマーセメントペーストで張り付ける。下地の乾燥が不必要な湿式工法。表面に直接モルタル塗りが可能で、水槽や地下の防水にも使用できる。
があります。
複合防水工法には、
■アスファルト系(熱工法)防水層・・・高温で溶融したアスファルトで、数枚のアスファルトルーフィングシートを積層する工法。
■ウレタン・FRP系防水層・・・ウレタンゴム系防水層の上にFRP系防水層を積層する工法。
■パラテックス系防水層・・・自閉性メカニズムを持ち、防水層が膨張して亀裂が発生しても、ある程度なら塗膜層が自閉する。
■アクリル樹脂系防水層・・・水系のため引火性がなく、中毒や臭気の問題がないので環境と作業者に優しい工法。下地への追従性が高い。
などがあります。