伸縮目地
伸縮目地とは、コンクリート構造物において、温度伸縮や外荷重による変形の差異に基づく過度のひびわれを防止するため、一定区画ごとに設けられる変形を吸収する目地のことをいいます。
一方、構造物の部材又は部位に、膨張や伸縮が生じても、それらによる変形が他の部材または部位に拘束されないよう設けられるコンクリートの目地のことを、膨張目地といいます。セメントコンクリート舗装要領では、構造による分類で膨張目地、働きによる分類で伸縮目地と呼称します。
例えば、コンクリートは熱膨張するので、夏延びて冬縮みます。夏打設したコンクリートは、冬縮むので、1枚が大きいと収縮の亀裂が入ります。レンガを埋めてあれば、そこがすきます。例えば10mmの目地を設置すれば、亀裂がそこの弱い部分に集中するので、広い面に割れが目立たない役割をします。割れが起こるように、ダブル筋の1本を繋げない施行をしたりします。伸縮するので、ゴムか大きな目透かしを使うのが適しています。目地間の距離が長ければ、伸縮の長さも大きくなります。逆に短くすれば、レンガで目地をとったとしても、目地横の隙間は少なく目立たなくなります。
目地には、乾式、湿式、立ち上がり緩衝材などがあります。
施工する際は、押え層目地と仕上げ層目地とが、上下ともに一貫して通るように割り付けて、目地で囲まれた部分が完全に区画された版になるようにすることが望ましいです。
防水押さえに使用する場合は、防水押え層が膨張してパラペット(建造物上面ないし先端を保護するために設けられた比較的低い障壁)を押し出し、外装を損ね、防水層を切断して水漏れ事故を生ずることはよく知られた事実なので、防水層を傷つけないように注意して、末端部の押えは入念にします。これらの事故をさけるため、品質の優れた伸縮目地をよく検討して施工すれば、事故は防止できるでしょう。