断熱工法
断熱工法とは、一言で言えば、防水層と躯体の間に断熱層を設ける工法のことです。
マンションのような建造物の専有部分は、蓄熱性が高い鉄筋コンクリート造りの天井、床板(スラブ)や壁で囲まれています。この鉄筋コンクリート造りの躯体の室内側に断熱材を施す工法を「内断熱工法」、躯体の外側(屋外側) に断熱材を施す工法を「外断熱工法」といいます。
内断熱工法の場合、躯体温度が外気温度に近づき、寒暖の激しい環境では躯体の熱劣化が早まります。それに対して、外断熱工法の場合は、躯体温度が室内温度に近づき、温度変化は少なくなります。
現在、国内では約90%は内断熱対策がとられていますが、最近になって徐々に外断熱を採る場合が増えてきました。そして、太陽からの陽射しや紫外線、風・雪・雨など、気候の影響を一番に受けるのは、実は屋上(屋根)部分です。よって現在は、特に屋上(屋根)の外断熱対策が求められています。
・内断熱工法・・・断熱材を内側に設置するため、外側との温度差で結露を発生しやすい。また、外側が日射熱の影響を受けやすく躯体表面温度の変動が著しい。その為、結露や躯体表面温度の著しい変動が躯体を伸縮させ、亀裂を生じさせる。
・外断熱工法・・・断熱材を外側に設置するため、外側との温度差が生じにくく、結露の発生を防止する。また外側が日射熱の影響を受けにくく躯体表面温度の変動が少ない。その為、結露や躯体表面温度の影響で躯体を伸縮させることなく、更に日射熱から躯体を守ることができ、耐久性を向上させる。
屋上防水の外断熱工法では、内断熱の屋根防水を改修する際に外断熱防水工法を採用する例が増えています。現在では一般的な工法になりつつあります。躯体と防水層の耐久性を高め、屋根下の室内熱環境を安定させ、冷暖房効果を高め、省エネルギーに繋がるという効果があります。
大きく分けて、熱アスファルト工法、トーチ工法、シート防水工法があります。