熱工法
熱工法とは、加熱・溶融したアスファルトで、2~4枚のアスファルトルーフィングシートを積層し、防水層を形成する工法です。わかりやすくいうと、アスファルトルーフィングやストレッチルーフィングを、溶融釜で溶融した防水工事用アスファルトで貼り重ねながら施工する工法です。
最も古くから使われてきた工法で、日本の建築防水界では100年以上の実績があります。ノウハウの蓄積もあるので最も信頼性の高い防水工法であり、主要建築物の多くがこのアスファルト防水熱工法で施工されています。
最も優れている特徴の一つとして、定形材料のルーフィングと不定形材料である溶融アスファルトとの組み合わせにより、高密度な密着性を持つ防水層を形成し、さらに二層以上に積層して、より強固な完璧に近い防水層を作り上げることができます。また、短時間で硬化して防水性能を発揮するので、短い工期で済むという点も優れています。
ゆえに防水業者が最も信頼して施工している代表的な主流の工法で、「本防水」といえばアスファルト防水熱工法のことを指します。しかし、溶融釜でアスファルトを220℃~270℃の高温で溶融する作業を必要とするため、火災や作業員の火傷の可能性があり、また特有の臭気を放つという欠点があります。最近は環境保護などの観点から、こうした欠点がなく環境にやさしい他の防水工法が採られることが増えてきたようです。