絶縁工法
防水工事における絶縁工法とは、防水層を下地に密着させないで「浮かす」工法です。防水層と下地の間に空気を含んだかたちになります。
それに対し防水層を下地に完全に密着させる工法を、密着工法といいます。
絶縁工法のメリットは、
・防水層が下地の影響を受けません。下地にひび割れが発生しても大丈夫で、多少濡れていても施工可能な工法もあります。
・長期にわたり防水層が長持ちします。
・単層防水のため工期が短く、軽量であり、低価格です。ランニングコストが低減できるので、次回の防水工事のコスト低減に繋がります。
デメリットは、
・軽歩行には耐えられるが、重歩行は不可能です。
例えば、塩化ビニル系シート防水は、絶縁工法が開発され普及しました。この絶縁工法は、まず屋根の周辺にせん孔し、塩ビライニング鋼板のバーをメカニカルファスナーで固定した上に、塩ビシートを接着します。周辺以外はシートジョイントを接着・溶着するほか、一定間隔で塩ビライニング鋼板の円盤を設置し、シートをメカニカルファスナーで固定します。その他の部分は下地に接着させないため、絶縁工法と呼ばれています。
工期の短い建物や、改修工事に適した工法です。