屋上防水のかぶせ工法とはなんですか？
かぶせ工法とは、屋上の防水層を形成する際に、既存の防水層を剥ぎ取って除去することをせずに、その上から新規の防水層を「かぶせて」施工するやり方のことをいいます。「塗り重ね工法」ともいいます。既存の防水層の不良部分のみを除去し、適切に下地処理を施した上で、その上から新規に防水層をかぶせて施工します。
かぶせ工法が可能な防水工法には、ウレタン塗膜防水、FRP防水、塩ビシート防水、トーチ工法などがあります。
かぶせ工法には多くのメリットがあります。例えば、既存の防水層を剥ぎ取る作業がないため、騒音がほとんど発生しません。当然、剥ぎ取る際の電動カッターなどの振動も発生しません。また、剥ぎ取る作業がないので、その分工期も短縮でき、作業人員も削減できます。また、既存の防水層の撤去費用も削減でき、一から新規に防水層を形成するよりも安く済むので、コスト的にも安く済みます。それに、もし既存の防水層を撤去するならば、廃材の排出とその処理も必要になりますが、その必要がないので、周辺に対する危険作業がなく安全性が高いです。もちろん産業廃棄物の発生も抑えられるので、上に述べた騒音と振動が発生しないことと合わせて、周辺環境にも優しい工法です。さらに、既存の防水層の状態が良好である場合、その防水性能がそのまま維持できることが期待できます。
注意すべき点は、既存の防水層の材料と新規の防水層の材料を考慮する必要がある、ということです。
結論として、かぶせ工法は、既存の防水層を下層防水層として再度利用しながら、新規の防水層を形成するため、信頼性と耐久性が高い工法だといえるでしょう。信頼性と工期・コストのバランス、そして資産価値の向上の面でも、優位性のある工法だといえます。実際に施工する際には、既存の防水層のとの相性をよく考慮しながら、新規にかぶせる防水層・防水工法を選びましょう。専門の防水工事業者とよく相談してみて下さい。
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