防水工事を実施すると部屋の中が熱くなりますか？
防水工事を行う際、例えば屋上にアスファルト防水層を形成するのであれば、アスファルトを溶融するための溶融釜を置かねばならず、当然それは高熱を発生します。また、アスファルトルーフィングを敷きつめるのなら、それには２５０～２６０℃の高温が必要ですし、また固まるまでは当然高温です。よって、その工事期間中は、屋上面の温度は上がりますから、その分建物内の温度は確かに上昇するでしょう。けれど極端に上がることはないでしょうし、大きな影響があるとしたらそれは最上階のみでしょう。
また、窓枠の防水工事を行うなら、当然その間は窓を開け放しておかねばならず、もしその工事が真夏の暑い日に行われているのであれば、冷房が使えないので部屋の中は当然暑くなります。また、ベランダ防水工事も同様で、もしエアコンの室外機を一旦撤去する必要があるならば、その間は冷房が使えませんから、同様に部屋の中は暑くなります。
要するに、真夏の暑い日に冷房が使えなければ、自然現象で当然部屋の中は暑くなります。あとは他の理由で暑くなったり熱くなったりするかですが、これは防水工事の工法に左右され、もし最上階が熱くなるとすればそれはアスファルト防水工事の場合だと思われます。しかし最近では、環境保護や安全性の観点からも、こうした高温を要する工法は減りつつあり、低温でアスファルト防水を施工できる改質アスファルト防水などもありますし、シートを接合する場合もトーチバーナーであぶって溶かしたりしますが、これの温度など影響は全く無いでしょう。
もちろん、防水層自体が「厚み」を持つものですから、防水層を施工した分屋根や屋上の厚みは増し、その分部屋の中の温度が上がることは考えられます。しかしこれは建築物を設計する上で最初からわかっていることなので、それに対処した設計がなされています。よって、防水工事を実施したからといって特段部屋の中が暑くなるということは、無いといってよいでしょう。屋根や壁に断熱材を入れれば当然内部の温度は上がりますが、これはそもそもそういう効果を狙って導入するものなので、問題ありません。
むしろ雨漏りが発生した状態を放っておいた方が、雨水が建物の内部に浸入するとその分湿度が上がりますから、逆に「暑く感じる」可能性は高いかもしれません。
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