木造住宅の防水は大変でしょうか?
木造住宅は、木材つまり木を使って建てられた建築物で、住宅として利用されるので、大きさも小さいです。鉄筋やコンクリートでできた建築物とは違い、木ならではの柔らかさと「しなり」を持ちます。よってよく揺れます。元々そういう造りになっています。日本は地震が多いので、揺れて建物がしなることは頻繁にあります。また、木であるので、乾燥伸縮します。日本は高温多湿な土地柄で、季節によって湿度の差が大きいため、乾燥伸縮する機会は多いです。
以上のことから、木造住宅に防水層を形成しても、その躯体つまり下地が動くことは、頻繁にあります。木造住宅は木でできているため、もし漏水すると躯体の構造部分(柱や壁など)に水分が染み込み、建物そのものが傷んでしまうことになりかねません。ですので防水は確実に行う必要があります。
木造住宅の屋根は、不陸屋根つまり傾斜を持った造りになっていることが多く、一般的に木造住宅の防水というと、ベランダに施工するケースが多いようです。そして木造住宅を手がけるほとんどの住宅会社では、ベランダの防水層はFRP防水工法で施工されています。
FRP防水層は、最近広く使われるようになってきた防水工法で、継ぎ目がないので防水性が高い、軽くて丈夫、複雑な形状に対応できるというメリットがあるのですが、プラスチックなので紫外線に弱く、硬いタイプの防水層なので下地の動きに追随できないというデメリットがあります。
先程述べたように、木造住宅はよく揺れます。よって硬いFRP防水層は、本来木造住宅には向いていません。また、ベランダは日当たりの良い面に設計するので、紫外線に弱いFRP防水層は劣化が早いです。
よって定期的にトップコートを塗り替えなければならず、それを長持ちさせるためにも、トップコートに直射日光が当たらないように、タイルやマットを敷いておくなどの工夫が必要になります。
以上の理由から、木造住宅では本来、FRP防水層は向いているとはいえないかもしれません。
であれば、どのような防水工法が向いているかですが、躯体の動きへの追随性が高いということで、ウレタン防水層や塩化ビニルシート防水層を推奨している業者もあります。また、金属防水工法という工法を推奨している業者もあります。
「木造住宅にはFRP防水」という考えが定着しているのはおかしい、木造住宅には下地の動きに追随できる柔らかい防水剤を選ぶこと!と強調する業社もいます。ですので、もし木造住宅の防水施工を依頼する場合は、これらを留意して専門業社に相談してみて下さい。
防水工事お役立ちコンテンツ
- 防水工事会社の実際の実績や信頼を調査する方法を教えて下さい。
- 防水工事を依頼する際に、防水工事会社の実際の実績や信頼を知りたい場合、まず考えなければならないのは、「1.健全な経営をしているか」、「2、優れた技術力を持っているか」、「3、安心して工事を...
- 見積りの内容と実際の工事に違いが無いかを確かめることはできますか?
- 防水工事で、見積もりの内容と実際の工事に違いが無いかを確かめるには、工事が完了してから確認するのではなく、工事の施工の途中途中で確かめるのが望ましいです。防水工事にはいろいろな工法があり...
- 防水を長持ちさせる方法や秘訣はありますか?
- 建築物の防水層は、建築物の最上部の屋上やベランダなどに施工されているので、常に雨水や太陽光における紫外線、風や気候の寒暖などに晒されています。そのため、年月が経つにつれて、経年による劣化...
- 大規模修繕工事を実施する際の気をつけるべきポイントを教えて下さい。
- マンションの大規模修繕工事は、足場を設置して大々的に行われます。当然そこには多くの住人が住んでいるので、それを考慮して行わねばなりません。では具体的にどのようなことに気をつけねばならない...
- 防水工事と塗装工事を両方お願いする事は出来るのでしょうか?
- 防水工事と塗装工事はそもそも別の工事です。当たり前ですが、何でも専門家の方が物事に精通しています。防水工事は屋根や屋上などに防水層を形成する工事で、塗装工事は外壁などを塗料で塗る工事です...
- 防水工事以外のリフォーム等を同じ会社に頼む事は可能でしょうか?
- 「防水工事業者」と「リフォーム業者」は、基本的には違います。防水工事業者はあくまでも防水工事が専門、リフォーム業者はあくまでもリフォームが専門です。ただ、リフォーム業者の中には、「事業の...
- 優良な防水工事会社の見分け方を教えて下さい。
- 防水工事を行う業者の中にも、優良な業者も悪質な業者もいます。 まず、「悪い業者」の例をいくつか挙げてみます。 ■「追加料金ばかり発生して高くなってしまった」という業社がいます。...
- 屋上緑化のメリットとはなんですか?
- 現在の日本をはじめとした国々の、特に都市部は、土の地面の大部分がコンクリートやアスファルトに覆われています。そのため、ヒートアイランド現象や都市型水害などがたびたび問題となっています。こ...
- 雨漏りは何故止まらないのでしょうか?
- 「雨漏りが発生したので業者を呼んで工事してもらい、安心したのもつかの間、また雨漏りが発生し、止まる気配がない・・・」こんなことがあるかもしれません。ではなぜ、雨漏りが止まらない場合がある...
- 雨漏りの原因について教えて下さい
- 建物で雨漏りが起こる原因にはいろいろありますが、以下に挙げてみます。 ■防水層が老朽化などして劣化し、そこから雨水が浸入し雨漏りするようになってしまった。例えば、外壁目地のコー...
- 防水工事を実施するのに必要な資格はありますか?
- 防水工事を実際に施工する技術者のことを、「防水工」といいます。建築物だけでなく、ダムやトンネルや橋などの建造物に対して、防水工事を行う技術者のことです。具体的には、建築物や建造物の様々な...
- 雨漏りしている状態を放っておくとどうなる?
- 既に雨漏りをしているのに放っておいたら大変です。屋根から漏水し天井裏をつたって部屋の中に雨漏りをしているのなら、まず天井裏はカビだらけでしょう。また水分が壁をつたうと、壁紙の隙間にも水分...
- 防水工事以外のリフォーム等を同じ会社に頼む事は可能?
- 「防水工事業者」と「リフォーム業者」は、基本的には違います。防水工事業者はあくまでも防水工事が専門、リフォーム業者はあくまでもリフォームが専門です。ただ、リフォーム業者の中には、「事業の...
- 防水工事を実施すると部屋の中が熱くなりますか?
- 防水工事を行う際、例えば屋上にアスファルト防水層を形成するのであれば、アスファルトを溶融するための溶融釜を置かねばならず、当然それは高熱を発生します。また、アスファルトルーフィングを敷き...
- 外壁のひび割れどうに対応すればよいですか?
- 外壁や外壁塗装にひび割れが生じることがありますが、その多くは湿式工法(コンクリートやモルタルなどの水を混ぜた柔らかい材料を塗りつける工法)の外壁材で起こります。ひび割れは主に4種類に分類...
- 防水の為の塗装が消えかかっていて、どうしたら良い?
- 一般的に防水層は、建築物の屋根や屋上、または外壁に施されます。それらは基本的に、常に太陽光に晒されています。太陽光に含まれる紫外線は、防水層を劣化させる一番の原因です。そのため、工法にも...
- 屋上緑化のメリットとはなんですか?
- 現在の日本をはじめとした国々の、特に都市部は、土の地面の大部分がコンクリートやアスファルトに覆われています。そのため、ヒートアイランド現象や都市型水害などがたびたび問題となっています。こ...